未来のために、天敵のトドやシャチがいるかも知れない湖に勇気を持って飛び込む最初のペンギン。
餌が捕れるか、それとも食われてしまうのか、避けることのできない不確実性のもとで、いつかは決断を下し、飛び込む──海の中に真っ先に飛び込む「最初のペンギン」がいるからこそ、群れ全体にとっての事態が切り開かれるのである。
開かれた未来を後から追うのは、それほど難しいことではない。難しく勇気が必要なのは、見えない未来を最初に切り開くこと。それをいつも最初の一匹だけに与えられた使命のようなもの。
仮に飛び込んだペンギンは飛び込むつもりが無かったとしても、足を滑らせて落ちてしまっただけだとしても、その結果食べられてしまったとしても、そのペンギンは群れ全体の未来のために貢献をしたと言えるんじゃないだろうか。
理由はどうあれもしそのペンギンになったのなら、精一杯泳いで魚を捕るか、せめてシャチがいる場所くらいは見つけて来たい。ずっとそういう気持ちで泳いでいきたい。
- 作者: 茂木健一郎
- 出版社/メーカー: 柏書房
- 発売日: 2004/06/25
- メディア: 単行本
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