iPhone5もドラクエ10も人は並ぶためにリアル店舗に並ぶ

タイトル通りの話。僕はiPhone5買ってないしまだしばらく買わないと思うんですけど、@ttachiさんのブログを見て思ったこと。

14時間の行列の末、iPhone5 SoftBank 64GB Black をゲットしました！！ - No Second Life

並ぶために買いものをする

上記のブログから引用。なぜiPhone5をApple Storeで買うのか、と言う話。

理由は3つ。
一つはアップル製品なんだからAppleのお店で買いたいという気持ちがある点。
二つ目はAppleストアの行列には友達がたくさん並んでいて、お祭り騒ぎになっているので、そのお祭りに参加したいからという理由。
そして三つ目は、何かとトラブルが多いiPhone発売日に、最高水準のサービスレベルを誇るAppleストアで、確実にiPhoneをゲットしたいという想いから。

今の時代、人気の「モノ」をお店で買う理由なんてこのくらいしかないんじゃないかなぁ。ネットで予約すれば当日に届くし、お店に行くよりも早く届いちゃうことすらある。その上でリアルな店舗で買うと言うことは「買う」と言う行為自体に意味を見出しているからに他ならないと思う。

僕はこないだわざわざドラクエ10の発売日にヨドバシアキバに朝から並びに行ったんですけど、それはもう「ドラクエ出るなら、そりゃゲーム屋に朝から並んだ方が楽しいでしょ！」と言うただそれだけの理由で並んでました。

ドラクエ10の開封の儀を厳粛に執り行いました - まんとるぽっと

だから、リアル店舗はなくならない

モノを買うという機能においてはヨドバシも、Apple Storeも、コンビニも、自販機も、ECサイトもきっと同じようなものです。でもこれから先、どれだけECや自販機のようなものが発達したとしても、リアルな店舗は無くならないと思う。

なぜか。やはりそこにいる人にしか出せない、人がいるからこそ出る価値があるし、上に書いたようなその場や状況にしか無い価値があるから。

買い物のどこに価値を置くか

例えば僕はお店の店員さんと話すのが好きで、よく行くお店には大体1人か2人は仲良しの店員さんがいたりします。それはコンビニだったりスタバだったり、ゲーセンだったり。時間があればオススメ聞いたり雑談したりします。

そして意味も無く、本屋をウロウロしたりヨドバシやアキバをぐるぐる回って面白い物が無いかを探すのも好き。目的の本が決まってても本屋で買う。別に本や家電を探すならamazonとか楽天で買い物は終わるはずなんですけど、それでもECは未だに好きじゃないからほとんど使わないし、出来るだけリアルな店舗で買うことにしている気がする。

これってつまり、自分が価値を見出しているのが「モノ」だけではなくてその過程だったり、あるいは店員さんとの会話だったり、買い物の途中で目に入ってくるものが嬉しかったりするからってことなんですよね。ECに感じる違和感は、手に入るものが「モノだけ」だからかも知れない。

ECのゆくえ

自分がEC使ってもいいかなーって思う時が来るとすれば、上に書いたような買い物のプロセスで副次的に得ているものを得られるようになった時かもしれない。

例えばサイトに訪れた時「あ、まんとるさん。新しい○○出てますけど見てみます？」って自分の好みを理解して話しかけてくれるようなサイトがあれば、結構楽しんで使う気がする。画面の向こうで人が喋ってても、機械がやってくれてもいいんですけどね。amazonの協調フィルタリングみたいな無機質な感じじゃなくて「お、こいつわかっとるな」と思える感じのやつがいいな。

「どこでも買える」とか「今まで買えなかったものが買える」とか「今まで出来なかった買い方が出来る」とか、ネット上のお買い物はそうやって進化して来てると思うんですけど。そのうち「買うモノ」以外に自分がリアル店舗で得ているものも得られるような、リアルなお買い物をネット上で実現出来るような仕組みになっていったりするんだろうか。ネット上で行列に並ぶような感覚が味わえたら、発売を心待ちにするワクワク感をそのサイトで購入するみんなで共有出来るのなら、そっちで買うのも結構楽しいのかもなと思います。まる。

ECには無い、リアルな店舗にしか無い価値はこういう言葉に集約されているかもしれない。