槇原敬之の「もう恋なんてしない」を聞きながら

槇原敬之の歌って妙にリアルと言うか、生々し過ぎじゃない?」
「いや、それがいいんだろ。」


と言うような会話をする、1月9日の朝の5時。話し相手は一緒に住んでいる双子の兄。話したい事を話したい時に、話したい相手が横にいてくれる。それはとても幸せなこと。

兄は槇原敬之がとても好きで昔からよく聞いている。この日は僕がお気に入りで聞いている"We Love Mackey"と言うアルバムを聞きながら話していたんだけど、兄はそれを聞いたことが無いらしくて「これ結構いいじゃん!」と少し感動していたようだ。そして二人で「昔は"編曲"って言うものの存在意義がよくわからなかったけど、今では意味も理由もよく分かるよね」と言う話をした。確かに編曲次第で曲のイメージは全く変わるし色んな姿を見せる。それはとても素晴らしいこと。

槇原敬之の歌詞はとてもリアルで、登場人物の心理描写がすごい。すごいと言うかやはり「生々しい」とすら思ってしまう。たった数分の曲でその人の心や過去、周りの関係すら表現すると言うのは中々出来ることではないと思う。「SPY」でも「彼女の恋人」でも、そしてこの「もう恋なんてしない」でも、切ない主人公の気持ちが痛いくらい伝わってきて感情移入できてしまう。「わかるわかる」と言う気持ちや「彼らは一体この後どうなるんだろう…」と言う気持ち、色んな気持ちが渦巻く。それもとても素晴らしいこと。

「もう恋なんてしない」は失恋後に一人で部屋を片付ける主人公の葛藤やプライドについての歌だ。部屋に残された色んなものを片付け、過去を見つめながら、未来への決意を新たにする。過去は全て幸せな未来の礎になっている、素晴らしいものだったと信じる。それが出来るのもまた、とても幸せなこと。

こうやって人生を積み重ねて人は生きていくのだろう。やはり人の一生と言うのは本当に面白いし、幸せに満ちているのだ。


「本当に 本当に 君が大好きだったから もう恋なんてしないなんて 言わないよ 絶対」 - もう恋なんてしない(槇原敬之


We Love Mackey

We Love Mackey