人間は自分が好きなことしか出来ない

好きこそものの上手なれ

「好きこそものの上手なれ」と言う言葉が好きです。何か上達しようと思ったらその一番早い方法は、好きになることだと思うのですよね。趣味も、勉強も、仕事も、人間関係ですらも。いい感じでうまく行くときはほぼ例外なく「好き」なのだろうと思います。

例えば一日に何をしているかを行動レベルで、数分レベルで自分が何をしているか書き出していったとしたら、みなさんは果たしてどんなリストが出来るのでしょうか。

恐らく、大体の人は好きでやりたいことをやっているか、あるいは「楽」だからやっていることがほとんどだと思います。「楽」と言うのは若干ネガティブですが、マイナスではない、どちらかと言うと「好き」よりの弱い感情、と言ったところでしょうね。テレビを見るのも、スマホでゲームをするのも、なんとなく街をうろうろするのもネットサーフィンするのも、すごく強い「好き」じゃなくてもある程度「楽」なもので人は時間を満たしている。食べるのも寝るのも、積極的に好きではなかったとしてもそれに逆らうのは「苦」なので、それを回避する「楽」な方法として自分の生物的な欲求に従っている。そう思います。

だからこそ色んなものに興味を持って、好きでいられるのであれば。自分の時間を満たす色んな事柄に対して「好き」でいられるのであれば、それはきっと自分の人生をもっと有意義なものにしていくことが出来る…。自己啓発本に書いてあるようなことは、得てしてそういう類の話です。

「好き」と「上手」の順序

これは例え話ですが、それほど好きでも無い彼女/彼氏と付き合ったとして。嫌いなわけではないけど、何が何でも一生ずっとにいたいという程ではない、と言うレベルのお付き合いだとして、その調子で一生ずっとやっていけるかと言うと多分持たない気がします。すぐに他の「好き」に取って代わられるような感情は多分、脆い。文字にすると恥ずかしい感じだけど、だからこそ逆にうまく行きそうな流れが来たのであれば、それは結構好きになることが出来たということなのかもしれない。

「好き」が先なのか「上手」が先なのか、ことわざは教えてはくれていません。でも例えば彼女の気持ちをいきなり理解出来るようになるとか、めっちゃ速くボールを投げるとか、すごい音色を奏でられるとかそう言う「上手になる」ことは多分難しいので、現実的に考えれば自分のポジティブな感情に従ってそれを増幅させて「好き」でいることがまずは最初の一歩目なのではないかと思います。そしてその「好きになるプロセスを作ること」自体を自分自身が好きでいられるようになれれば、きっとその人は好循環で回っていくし成長していけるのでしょうね。子どもの頃からそれが出来ていると、すごく幸せに生きていけると思います。

「好き」と「楽」

「好き」と「楽」は同じ方向だけど、エネルギーが全然違います。楽なものは往々にして受動的なもの、習慣化したもの、そういうものに多いような。楽なものだけでも時間は全て埋まるしそれほど苦痛ではない。エネルギーが無いときはそういう生活になります。

珍しい友達から電話がかかってきて色々と思い出すような話をしたら、やっぱり自分は疲れて楽な道に逃げまくっているんだろうなぁ、と思ったのです。だってここ半年くらいで何か力を使って決断したことなんて、多分一つも無いですもん。仕事の選び方もプライベートの時間の使い方も、全て楽なことに逃げているんだろうな。自分が辛いのは過去への折り合いの付け方ではなく、恐らく未来に目を向けて真剣に考えること、だと思います。

自分をpoeticに語るという楽な遊びに飽きて、他のちゃんとした何か(誰か?)を好きになれたら、きっと全ては解決するんでしょう。今日色んなことを思い出しながら最近の生活を振り返っていると、どうやら既にかなり飽きて来ている自分に気付いた。新しく好きになるものと言うのはFF14でもモンハン4でもないのですよ。自分が一番、よくわかってる。

明日からまた1週間出張です。大きなシャチかライオンかパンダのぬいぐるみでも買って来たら、元気出るかも知れないな。