有料の特急列車と新幹線のグリーン車の存在意義

「特急ってすごく高く割にそんなに到着時間変わらないじゃないですか。何であんなのがあるのかよくわからないんですよね。」
「そう?私は特急に乗れる時は必ず乗ることにしているの。時間は少しでも買えるなら買うべきよ。あなたにもいつか分かるわ。」

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あけましておめでとうございます。僕の人生には何人か師匠と呼べるような人がいますが、その内の一人の方と15年くらい前にそういう話をしたなと言うことを思い出しながら、実家に帰るべく年末に近鉄特急に乗っておりました。

例えば実家の最寄りの近鉄大和八木駅から近鉄京都駅までは、到着時間で言うと特急(1730円)で48分、急行(860円)で61分なので13分しか変わりません。これに870円も出すのは果たしてどんな意味があるのでしょうか?

時間の質の差

結局これに尽きます。プライベートはさておき仕事にその移動時間を充てることを考えると、急行や普通列車だとPCを広げることも出来ないし書き物をすることも出来ないし、資料を広げるのも人目が憚られます。なのでせいぜい本を読むか携帯をいじるか、誰かいるなら小さい声でお喋りするとか。そんなことしか出来ない気がします。

しかし自分の目の前にPCやモノが置ける机があって、人にも見られない半個室の空間が出来るとしたら。そのままでは死んでしまう61分を、生きた48分にすることが、870円で出来ると考えるなら、これは決して高いようには思えません。むしろ時間を買えていると考えるなら圧倒的にお買い得です。

新幹線のグリーン車というもの

普段は乗らないんですが帰省の東海道新幹線の指定席を取ってなかったので、今回はやむなくグリーン車に乗ったんです。一度経験として乗ってみるのもいいかなと思ったのもありますし。そしたら年末の激混みの時期なのに空いていて、見るからにお金持ってそうな人や、どう見てもプロスポーツ選手っぽい出で立ちの人とか乗ってました。東京から関西に一番「質が高く」移動出来るのは恐らく新幹線のグリーン車か、飛行機のビジネスクラスとかでしょうから、当然と言えば当然なのかも知れません。

この場合の値段は自由席だと13720円なのに対してグリーン車だと+5150円の18870円です。時間は当然変わらず。この5150円で得られるものと言えば、混んでない空いた居心地の良い静かな空間と、妙に座り心地の良いイスや普通車よりやや広いスペース、あとは全席に備え付けられた電源でしょうか。あ、おしぼりも出て来ましたそういえば。

そして、使い分け方

別に急いで無いし友達とお喋りしながら移動するなら普通の電車でいいと思うんですよね。その場合にあえて乗るのはむしろ人生の堕落(←最近自分の中で流行しているワード)だろうと。それでも時間の単価が高い人とか、こういう社内環境を必要とする人は必ずいるだろうなぁ、と言うのは今ではよくわかります。多分飛行機でも同じだろうと思います。

と言うわけで、お金をかけてでも時間の質を上げて「生産性」を上げると言うのは、えらくなるためにはきっと必要なのだろうなぁ、と言うようなことをこの年末は思ったのでした。そして自分の日々の時間はまだまだ密度が薄いし、ぬるいなぁ、、と言うことも。まぁ、あまり気負わずに今年は気楽に行きたいと思っております。(←抱負)

今年もよろしくお願いいたします!