
- 作者: 鶴田謙二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/08/20
- メディア: コミック
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人は何も忘れない生き物なのかもしれない
何か物を見た瞬間にふっと過去の記憶の欠片が蘇る、というのはよくある話だと思います。とりわけ本を読んだとき、それを読んでいた頃の記憶は割と鮮明に思い出せる気がします。それは自分でもびっくりするくらい何気ないことだったり大昔のことだったりするので、もしかすると人間は一度見たものや感じたことを何も失ってはいなくてただきっかけがなくて全て忘れているだけなのでは…とさえ思ってしまいます。
本の持つ記憶
本には文脈がありストーリーがあります。それはとても記憶に残りやすいものだから本についての記憶は鮮明なのかもしれません。特に人から借りた本であればなおさら。
なぜ人に本を貸したり借りたりするのかというと、それはその本の内容を共有したかったり、感想を共有したかったり、もしかすると何か伝えたいことがあったりするからかもしれない。だとするとその本にはただその本が持つ以上の意味があり、記憶があると言えるかもしれません。
今が幸せであるから、過去の全てを肯定する
自分の好きな考え方の一つに、こういうものがあります。例えばうちの父親は僕が高専1年の時に亡くなったわけですが、今思えばそれが転機になって自分の人生について圧倒的によく考えるようになったし、家族の絆も深くなったはず。もちろん悲しかったし今でももし生きていたらどういうおじいちゃんになっていたのかなとたまに思うこともありますが、それでも一番思うのは、それがあったからこそ今の幸せな自分がいると間違いなく思えると、そういうことなんですよね。だからまず今の自分に満足し、過去の全てを受け入れるのが幸せの第一歩なのだーー。なんて。
なんでこんなことを書いているかというと、この本を読みながら、当時はそういうことばっかり言ってたなーと思い出したんですよね。なんと説教くさい。
ただ、思っていることは今も変わらなくて。幸せな人生は自分にとって無限のパターンがあるはずです。人と人との巡り合わせも人と本との巡り合わせも無数にあって、ただ偶然今の状態になっている、ただそれだけで。過去は過去で、未来はこれからのもので。現在を最上のものとしてまずは捉えることさえ出来れば、過去は全て肯定され、未来もきっと幸せになると、僕はそう思っていますしそれを今も伝えたい。いつまでも幸せに、お互い生きていきましょう。それが、きっと忘れることのない本の記憶です。

- 作者: 鶴田謙二
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/09/22
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