今の自分の礎になっているもの(お墓参りオペレーション その4)


先日、これまでお世話になった伯父が亡くなった。一見元気そうだけど治療中の病もあったため、ついにという感じはしたが、さすがに色んなことを考えてしまう。

奈良の伯父

自分が忘れないように、改めて書いておくんですけど。「奈良のおっちゃん」としてうちの兄弟に親しまれたこの伯父は父の兄で、早くして亡くした父の代わり、というわけではないが昔から色々と良くしてくれていた。映画とカメラと競馬と、あと昔は麻雀やゲームがとても好きで。この人の家に行くとゲーム機がいっぱい置いてあって、小・中学生の頃、何度も遠くまでわざわざ遊びに行ったのを覚えている。セガサターンをこの家でやって、その時に見た真・女神転生が本当に面白いなと思い、その年のクリスマスは我が家はプレイステーションではなくセガサターンクリスマスナイツ付きの限定版)を買ってもらったのであった。そして戦前生まれなのに新しいもの好きで、PC-98の頃から家にPCを持っていてMSXとかのゲームが山ほどあった。おっちゃんが横で寝ている中、片っ端からゲームを試し。そして買い替えのタイミングでもらった当時Windows 3.1のPCを我が家にもらってきて(確かHDDが640MBとかだった気が…)、それが縁で自分はPCを触ることになったのであった。一緒にもらった大航海時代の英語版(Uncharted Waters : New Horizons)を、当時中学1年生だった自分はひたすら英語の辞書を片手に読み解き、そして何とかクリアしたのである。今考えるとそれが自分とPCの原点だし「ゲームって楽しい」と思えた原体験でもあったのだと思います。

変わる関係性

上のが小中学校期とすると、中高生の頃。年に1回か2回、お盆や正月に親戚で集まっては麻雀大会をやるのが恒例だった。高校1年で父が亡くなったことをいま考えてみると、この伯父と、あと従兄弟はある意味一緒に集まるための理由を作ってくれていたのかもしれない。麻雀は誰が強いというわけでもなく、ただただ何時間も伯父と、従兄弟と、そして三兄弟が入れ替わりで打つわけなんだけども。いつも丁寧にメモ用紙に成績表を作っては書き留めて、というのを数年分積み重ね。大学生になってからはあまり集まらなくなってしまったけど、きっと従兄弟の家の麻雀セットにはまだ過去のメモ用紙が残っているはずだ。それは当時の記憶を紐解く数少ないきっかけ。その後自分も大人になり、結婚し、些細なすれ違いから数年間疎遠になった。今思えば自分がもっと早く謝ればよかったのに、とは思うものの。2年ほど前に改めて会って謝って、その際は自分にも子供がいて伯父にも孫がいて、伯父も立派なおじいちゃんになっていて孫の写真ばかりを撮っているのを自慢してくれたことを覚えている。

自分の礎になるもの

今年35歳になったんですけどね。自分の仕事はどう見たって「IT関係」でPCは手放せないし、自分の数少ない趣味はほぼゲーム専用のPCを買ってゲームすることだし、これって20年前にPCをもらったからこうなったことは間違いない。そして先日大航海時代4のパワーアップキット買ったし(面白いです。Windows10でも動いた)。スマホで今度出る大航海時代4も楽しみにしてるし…まさに。

子どもの成長を見ていると思う。環境で人はどう育つかが、間違いなく変わる。親の教育水準と子どもの将来年収は明らかな相関が、とか今日のTVでもやってたけど、それもそう。周りにPCがあればPC触るし、マンガがあればマンガ読むし、ボールとグローブがあればキャッチボールするんでしょう。自分の場合はこの伯父がいたから今の仕事をしてるんだと思うし、自分は幸せに生きられていると思う。父と同じように、この父の兄にも感謝してこれから生きていくのだろう。お墓参りのたびに父の墓の横に伯父を、これまで以上に思い出すことになるだろう。自分を今の自分にしてくれて、本当にありがとう。R.I.P.