諦めて妥協して理想を低く持てば、結構幸せになれる

と、言う話。別にバカにしているわけでもなんでもなくて、自分自身はそうやって生きてるなと言う感想です。努力することはとても素晴らしいし美しい。でも現状を正しく理解して時には諦めることもまた、幸せに生きるための素晴らしい選択肢だと思っています。努力して努力して掴める幸せは分かりやすいけど、妥協して妥協して掴める幸せだってきっとあると思うし、大半はそれなんじゃないだろうか。

ちきりんさんの本を買ったので読んでみたシリーズその3。ゆるく考えよう。一年以上前の本ですけど、既刊3冊の中でこの本が一番面白かったので、思ったことを書いておきます。

はじめに

最近はてブでホットエントリーに入っていた記事も、似た話かなと。

ただそう簡単に、持ってしまっている幻想や理想、気持ちを切り替えられるものではないとも思うので、そこが難しい。

人生は諦めが肝心だ

本の1章の見出しがいきなり「目標は低く持ちましょう!」「人生は早めに諦めよう!」と言う感じで始まって、なかなか衝撃的です。内容は見出しの通りなのですが、簡単に言うと「早めに諦めて高望みしなければ、けっこう幸せになれるよ」と言う感じです。

以下、引用します。

それなのに「すべての人に同じだけのチャンスがある」などと思い込み、諦めずにずっと必死で働き続けることが「不幸の元」なのです。
諦めていないと、人は頑張りますから。無駄なのに……。 - P.16

こういう内容に反発してか、「上から目線だ」「エリートの論理だ」などの意見がamazonのレビューにも散見されますが、そういう側面しか無いのでしょうか。諦めないことが本当に素晴らしい?冒頭にも書いたように僕は「諦めるべき派」です。正しく言うと「自覚的に諦めるべき派」です。ただ、みんなそうは言わないだけで。なんかかっこ悪いし。

みんな結構、無意識のうちに諦めてるもので

プロ野球選手になりたいとか、宇宙飛行士になりたいとか、総理大臣になりたいとか、高校生や大学生にもなると言わなくなりますね(この辺は諦めたというか、現実を知っただけかも知れませんが)。 社会人になっても「俺は社長になる!」とか中々言わないわけです。例えば以下の記事なんて、リアルです。

言うまでもなく人生は選択の連続で、例えばある大学に行くことを選んだ時点で、他の大学に行くことは諦めている。会社を選んだ時点で他の会社に行くことを諦めている。誰かと結婚した時点で他のかわいいあの子と結婚することは諦めている。これは全ての選択について言えることのはず。晩ご飯がカレーだった時点で、肉じゃがは諦めているわけですもの。(今日、最近肉じゃが食べてないから食べたいなーと思いながら諦めてカレーを食べました、と言う話です。)

少しでも「他のがよかった」と思いながら別のものを選択しているのなら、それは大げさに言うと「あきらめ」と言えるんじゃないだろうか。

自覚的に諦める

僕が思うのは「自覚的に諦めるのがよいのではないか」と言うことです。その上でそれを受け入れられれば楽になれるなと。諦めるとか、やっぱなんかかっこ悪いんですけど、まぁしょうがないです。頑張っても無理なものは無理ですから。

自分で「諦めちゃだめだ」とか「努力しなきゃ」とか思うからつらくなるのですよね。それでも頑張ることに喜びを感じるのであれば、それは頑張ればいいと思います。でもほんとにしんどいなら、そこまでして頑張る必要なんてどこにも無いはずですし。

こういう風に思ってしまうのは、自分に選択肢が与えられているから?でも選択肢が無い状態って、本質的には無いと思う。ゆるく考えてみれば選択肢はきっとあるんじゃないだろうか。頑張らないこと、諦めること、妥協すること、捨てること、そういう選択肢は大体いつだってあり得ると思う。

みんなが幸せに生きられればいいのに

きれいごとっぽくなりますけれども、ほんとにそう思っているし、選択肢を選ぶときにはある程度は人の幸せにつながる方を選んでいきたいと思っています。「ある程度」と言っているのは、とは言え自分自身の幸せが一番大事だからです。(←こう言い切ることも、ある意味「あきらめ」です。自分の幸せより他人の幸せをずっと優先することは、無理だと思ってるので…。子どもが出来たりすると変わるのかな。)

世の中いろんな人がいるし、色んな考え方があります。でも「幸せに生きたい」ということだけは誰もが思っていることなんじゃないだろうか。自分の状況を客観的に見つめて「自覚的に諦める」ことが出来て、その上でそれを受け入れることが出来たら、今よりもっと楽になれるかもしれない。

「頑張らなくて、いいんだよ」とかって何て無責任な言葉だろうと思ってましたけど、それって他人が言うからおかしいわけですね。自発的に自分に対して「頑張らなくても、いいんだな」と思えるのであれば、それはもう幸せと言うほかない。頑張りたい人は頑張ればいいし、頑張りたくないなら頑張らなければいいだけです。それを他人と比較する必要はどこにも無いし、自分を卑下することも無ければ他人に批判されることでもないはずですもの。


と言うわけで明日の会議の資料が出来ていませんが、この記事を書いてると眠くなってきたので明日は怒られてもしょうがないと諦めつつ、寝ようと思います。よく考えると資料作るまでも無い議題な気だと思うし。。(←これも妥協。)

ほどほどに諦めつつ、幸せに生きていきたいなと思います。
本のあとがきの、下の言葉がとても印象に残ってます。そういう風に生きていきたいな。まる。

人生のうち、ごくごく短い時間でもいい。
自由に生きていきたいです。 - P.225

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