パズドラとかLine popとか、皆さんご存知でしょうか。どちらもiPhoneやAndroidのアプリとして流行っている「ソーシャルゲーム」ですが、計算上は日本でスマホ持ってる人の半分くらいはどちらか入れていることになります。実感としても電車でケータイいじってる人や喫茶店でケータイいじってる人はかなりの確率でどっちかのゲームをやってます。
ソーシャルゲームがそんなに世間の表で騒がれなくなってひと段落感があるのかなと思うものの、まだまだGREEもmobageも売上好調のようなので今更ながら課金して1ヶ月だけハマってみました。ソーシャルゲームについては以下のようなことを前に書いたのでその続きです。
- ソーシャルゲームで人は時間の買い物をしている(ネトゲ廃人 - 芦崎治) - まんとるぽっと
- ソーシャルゲームを「ゲーム」と呼びたくない理由 (「ソーシャルゲームのすごい仕組み」 - まつもとあつし) - まんとるぽっと
僕自身ゲーム歴20年を超える自称ゲーマーで、月に1, 2本は必ずコンシューマゲームのソフトを買いますし、ゲーセンも好きです。昔はネトゲもやったしPCゲームも好き、ドラクエ10もずっとやってます。でもGREEもmobageもアカウントすら持っていない。そういうゲームプレイヤーのサンプルとして見て下さい。
と言うわけで今回は前編のLine pop編です。
で、いくら課金したの?
Line popは500円くらい、パズドラは5000円くらいですかね。Line popは「課金したらどうなるんだろう…」と言う興味だけで課金してみたもののルビー自体使いたいとあまり思えませんでした。パズドラはどっちかと言うとボス戦で死んだ時のコンティニューが一番使った気がします。あとはレアガチャ。一度ガチャを引くとハードルが一気に下がる、と言うのがよく分かりました。。詳細は次回。
課金して何が得られるの?
それぞれ課金すると、Line popの場合は「ルビー」で、パズドラの場合は「魔法石」がもらえます。基本的にはどちらのゲームも無料で遊べるのでこれらのアイテムは無くてもゲームとしては成立します。ただあると「より楽しい」「より効率がいい」と言うものです。それらを使うと以下のようなことが出来ます。
ライフを回復できる(Line pop)
別の記事でも書きましたが、ソーシャルゲームと言うのは連続してプレイ出来る回数が制限されているんですよね。Line popだと5回まで。そして8分経てばライフが1つ回復すると言う仕組みです。待てばいいんですけど、待てなくてルビー使って回復したくなるわけです。
得点が増えるアイテムを買える(Line pop)
Line pop自体はパズルゲームで得点を友達と競うゲームです。なので高スコアを取ることにみんな必死なわけですが、例えば「10秒間得点2倍!」みたいなアイテムをルビーいくつか使えば買えるわけです。ありていに言うと「お金を出せば(少しは)平均的に点数は上がる」と言うことになります。まぁ、実際はアイテム使ったときに限って得点が伸びないんですけどね…なぜか。
なぜ課金するの?なぜもっと遊びたくなるの?何が魔法なの?
いかに課金させるか、いかにもっとプレイさせるかが特にソーシャルゲームの中で大事なゲーミフィケーション。ゲームをゲームたらしめている理由。悪く言えばゲーム中毒患者を作るための麻薬成分だと思うんですけど(言い過ぎ…)、ほんとによく研究されているなと思います。ちなみにゲーミフィケーション自体は以下の本が面白かったしわかりやすかったです。
ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足
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ソーシャルゲームの儲けは一般的にARPUで見積もられますし、それはユーザのプレイ時間やプレイ回数に基本的には比例すると思います。それらをどうやって上げているのかと言う話。
ライフの回復待ち時間「8分」
ライフは最大で5個まで持てて、1個で1回プレイ出来ます。このライフが1つ回復するための時間「8分」と言うのが絶妙で。。5回プレイすると大体7分なんですけど、そうすると5回終わった後に1分待って6回目をやるか、あるいはルビー使って全快するかみたいな微妙なせめぎ合いが起きるんですよね。でも残り1分で使うのはもったいないから、友達からもらったハートでプレイして、その後で全快するんです。以下の無限ループ。
- 5回プレイ
- 友達のハート使う
- 1回プレイ(8分経って回復してるので)
- ルビーで全快
- (無限ループ)
ぷよぷよをやり続けてしまう感覚でずっとやってしまう。恐ろしい。
友達ランキングの存在
人と競うと言うのはやはり楽しいものでして。しかもそれがLineなので、顔も知ってる友達なわけじゃないですか。そりゃ熱いわけです。ランキングが週次で更新されて勝った負けた自体がコミュニケーションになりますし、ゲーム自体に飽きるまでやってしまう。そういう仕組み。
友達とのハートのやり取り
これが一番すごい仕組みだと思います。「ハートを送る」と言うボタンがあって、それを押すと文字通りハートを送れるんです。一定時間に1個だけ。送るのはタダだしもらう側はデメリット無いので送れば相手は喜ぶ(はず)。
ゲームが出来る回数が1回増えてうれしい、と友達は思います。結局1回じゃ絶対終わらなくて、何回もプレイしちゃうんですが。そのプレイのきっかけをユーザ同士で自発的に、嫌味なくさせてるところがすごい。運営側が無理矢理プッシュ通知なりメッセージなり送ればうざいんですが、友達からの「ハートのプレゼント」だと基本的には「うれしい」と思ってしまう。ハートの存在自体ただの「権利」なのでいくら送られても運営会社の懐は痛まないし、ユーザの時間を融通するための錬金術(前の記事参照)なんですよねこれも。素晴らしい…
無料スロット
1日に1回はユーザが開く仕組み。タダでアイテムやライフが当たるスロットを1日1回出来ます。2回目以降はルビーが必要ですが、みんな1回目の無料スロット狙いだと思います。何がすごいって言うと、こういうのって習慣化するんですよね。1回だけはタダだから朝の通勤時間に1回はスロットだけでもやっとこう、と。スロットやるなら絶対プレイしちゃうので、ここでまた起動時間や起動回数が増えるのですな。
流行ってるゲームは流行ってる理由がありますね。こういうプレイしたくなる仕組みは、もう魔法と言うしかない。魔法にかけられたように1日何時間でもやっちゃうわけです。
パズドラ編に続きます。次回は、これからもソーシャルゲームの課金はずっと続くのか?それは今の社会に合ってるから流行ってるのか?みたいな話。つづく。
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