槇原敬之の「GREEN DAYS」を聞きながら

槇原敬之の「もう恋なんてしない」を聞きながらのつづき。


「と言う感じで、もう恋なんてしない を聞いてたんだよね。」
「そう。GREEN DAYS もすごくいい曲だよ。」


さっそくYoutubeで検索してGREEN DAYSを探して聞いてみるものの、喫茶店でイヤホンを片耳ずつ付けて音楽を聞くのは相手が妹とは言え何かカップルっぽくて気恥ずかしい。

「あ、聞いたことある。いい曲だよね…って、何でお前が泣いてんの?」
「お兄ちゃんの心が伝わってくる気がして。」

人の代わりに泣いてくれるなんて、つくづく良い妹だなと改めて思う。現代の科学では解明されないような、人の心が人の形を超えて繋がっていることがもしかしたらあるのかもしれないなと二人で話した。テレパシーも、以心伝心も、虫の知らせも、どれも自分は信じているし実感できる事がある。その実体は人の偶然と期待が重なって、希望として姿を現しているだけなのかもしれない。ただそれでも自分の気持ちが言わなくても誰かに伝わっていると言うのは、とても嬉しいことだ。

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電車に乗って一時間と少しして、仲の良い夫婦ともうすぐ一歳になる子どものいる家に初めてお邪魔した。そしてわざわざこうやって人に会いに来ることも、他愛の無い話をすることも、駄菓子を食べることもそういえばここしばらくしていなかったことに気付く。何も聞かずに話を聞いてくれるのはありがたいし、自分が持ってるお菓子を僕にくれようとする子どもはとても可愛い。それはただ嬉しい時間だった。

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ちょうど三年前に来た同じ雪山に今年も来たのはただの偶然だったのかも知れない。それでも自分の中の色んな記憶を辿るのには十分だった。

ひとしきり雪山で遊んで、ご飯を食べて、話をして、みんなが寝静まってから二人で話をした。彼とは不思議な縁があって今に至り、偶然を重ねて今ここにいる。
「それでも、俺はお前のおかげで楽しい社会人生活を送れているよ。」
「偶然だな。俺もそう思ってた。」
社会人になってから、自分の気持ちや生き方について語れる親友と呼べるような存在が出来るとは思ってはいなかった。自分に必要なのはこういう時間だっと気付けたのが、とても嬉しかった。

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東京は記録的な雪で、新宿に着くと既に午前二時半を回っていた。仕方なくカラオケボックスに入り眠気を覚ましながら好きな歌を歌う。最近の自分に欠けていたのは、ただこういうことだったのだ。

「わからない事だらけでも ホントのことだけ探していこう そんな気持ちを誰もがきっと 青春と呼ぶのだろう」 - GREEN DAYS(槇原敬之

GREEN DAYS

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