「まんとるさん、こういうの好きだと思って。」
友達におすすめされて久しぶりによしもとばなな。確かに好きだ。自分の心境に合った良い本でした。
失恋した主人公が痛みと疲れを癒すために帰郷し、過去の不思議な記憶と偶然に触れるうちに傷付いた心はやがて―――と言うお話。風景や心理描写がくどく無くて自然な感じなのが、この人の本の好きなところだなぁ。
帰郷、故郷、ふるさと
帰郷とは。
[名](スル)故郷に帰ること。帰省(きせい)。「お盆には―したい」 - 大辞泉より
では、故郷とは。
生まれ育った土地。ふるさと。郷里。「―へ帰る」「第二の―」「生まれ―」 - 大辞泉より
「ふるさと」と言う言葉には、単に「前に行ったことのある土地」と言う意味も含まれるので、自分にゆかりのある場所であれば故郷、そしてそこを再び訪れることは帰郷と言うことは出来るのでしょう。
思い出探し
実家に帰ったり、ゆかりのある場所を巡ったり考えたりするのはそこに思い出のかけらを探しているからなんだろうなぁ。それを見つけた時に自分がどう思うか、それを持って自分の本心を知ろうとしているのかもしれない。
先週出張する機会があって、海外のセミナーに参加したのです。そしたら偶然にも1年前に泊まったホテルと同じところで。隣にあったスタバを覗くとちょうど前に朝ご飯を食べた席が見えて、何となく自分たちがそこに見えたような気がした。
こうやってポエムみたいなことを書くことに飽きたらそれが区切りなんだろう。来月もう1カ所だけ自転車で旅行して、そして9月になって夏が終わったら、もう終わると思う。いや、それで終わりにしようと。記憶を一つずつ辿って新しい思い出を少しずつ上書き保存していくことが自分にとっての禊みたいなものなんだろうなと思う。
―――とか言っておセンチ(ふるい…)な気分になって「俺マジで憂いてるわー世を儚んでるわーpoeticだわーー」と思いながら生きると言う、これが今の自分にとってかなり楽しいエンターテイメントなのだろうなと思いながら書いてます。これも含めて年末辺りには全部笑えるようになってるんじゃないのかな。過去なんて全部そんなもんです。おつかれさま。
「でも、その遺していく力の重みこそが、きっと人間が唯一このどうしようもなくたまらない世界の中に置いていける何かなのよ。」 - P.170 ほたる

- 作者: よしもとばなな
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06/28
- メディア: 文庫
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