リーダーの辞め時を考える その2

前回の記事の続きです。もう1年前です。

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どういう時を辞め時と捉えるのか、というのが前回の話だとすると今回の話は辞め時を悟った後に実際に自分がやっていることの話。

経験値が増えないと言ったものの、例えば「引き継ぐ」「次の世代がうまく動けるようにする」「自分がいない組織で何がどうなっていればみんな幸せなのかを考える」みたいなことは当然やったことがないわけで、経験値としてはそれを貯めているし実行しているなという感じがします。

辞めた後のことなんか知らん、と言い放つことも出来るんだけど、それはどうにも気持ち悪いというかダメな気がしている。自分が長い時間をかけてつくってきたものであるから尚更、いなくなったあともうまく続いていってほしいと思う。

全てが同じままなわけはないから、色んなものはやがて変わっていく。その中で変わらないでいて欲しいものやことと、大事なのは一体なんなんだろうか?それは「組織の人たちが自由に最大限の力を発揮できていること」だと思うし、また「組織として他には出来ない、社会的意義のあることをやっていること」だとも思う。(あまり具体的に書くとあれなので抽象的に書いてます。)

じゃあ、それってどうやって守れるものなんだろうかと思った時にまず思いついたのは「次のリーダーが同じようにそれを大切に思い、そのために適切な判断をしていけるようにしていく」ということ。つまりは次世代のリーダーを育てるということでしかない。人が人を変えようなどというのはつくづくおこがましいとも思うんだけど、自分が信じてやってきたことだしそのことくらいは、押し付けて(!)もいいのではとちょっと思いながらやってます。

相変わらずゲーマーなので、人のパラメータを数値化して信長の野望みたいに並べてみたりするのも好きです。でもそれで気付いたのはリーダーというのは多分、①「全体の数字がバランス良く高いこと」と、②「何かについて一番能力が高いこと」の両方が必要なんだろうなということです。

①について。ここでいうパラメータは組織運営に必要な色んな力です。例えば会社なら営業力なのかもしれないし、企画力、技術力、あるいは英語ができる、、とかそんなことでしょうか。バランスが大事だと思うのは全体を率いるに当たってパラメータの低い穴があると、そこは誰かに完全に依存する形になってしまうため。そうなると組織のバランスは崩れざるを得ないし自分自身が最終結果にコミット出来なくなる、と思うんですよね。ただ経験も長くなってくると①の方はまぁ高くなってくると思うので、時間が解決するものでもある気がします。

②について。最近思うのは②は現リーダーと次世代リーダーで違ってもいい、というか違うべきだ、、ということです。②でキャラがかぶってるのは多分引き継ぐ上でだいぶ辛いと思うんですよね。なんでかっていうと比較が容易だし往々にして現リーダーの方が能力が高いから、そこで移行すると組織全体が劣化したように見えてしまうわけです。そうなるくらいなら全く違った②の能力で持って全体を牽引するような形をとった方が、組織はスムーズに変わっていくんじゃないかなと。何か突き抜けたプロフェッショナルとして②の力を持っていれば、その立場で色んなものが見えるはず。例えば会社においては営業上がりの社長もいれば、技術上がりの社長もいる。それは言い換えると②は何でもいいということだと思います。

最後は、自分自身は不安との戦い。その上で覚悟して任せられるかどうか。その時がくるまでにどれだけ自分にとっての確率を上げておけるか、が引き継ぐ側の最後の勝負だろうなと思い「楽な仕事だなー」と一定思われてることを知りながら、がんばるわけです。まる。